About 2006年09月

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2006年09月

1.遺言とは

この頃、よく「遺言」の話を聞きますが、そもそも、遺言ってどんなことなのでしょうか?

一般的には、自分が生きてきた人生の中で残しておきたいことを後世に伝えることです。
まず、自分の身辺について考えてみましょう。
ご自身の財産、例えば、土地・家屋・現金・銀行預金をどのように処分するか、この件については、財産があればあるほど、両親、兄弟、叔父、叔母、従兄弟などと争いがおこり、裁判になるケースも多いのです。

考えてみますと、亡くなる間際までは自分の財産はやはり自分のものなのですよね。
自分の財産を亡くなる最後にどのように処理するか、それもできる限り、相続トラブルがないように・・・、その方法として、遺言というのがあるのです。

では、「遺言」とは何かというと、

難しい言葉でいえば、「遺言者の死亡とともに、身分上あるいは財産上の法的効果を発生させることを目的とする相手方のいない単独行為」のこと、
簡単にいえば、「私の財産は、Aさんにあげたい」というように、自分の財産をどのように処分するかの最後の意思表明といえるでしょう。

ただ、実際に、Aさんに財産がいくようにするためには、遺言が民法という法律の定める条件を充たすことが必要となるのです(この点については、次回以降説明します)。

あと、注意が必要なのは、「俺が死んだら、お母さんを頼む」というような亡くなる際に残す言葉とか単なる心情を記載した、いわゆる「遺書」とは異なるということです。、「遺言」といわゆる「遺書」とは、似て非なるものとご理解ください。いわゆる「遺書」は、法的な意味がないことが多いです。

では、どのような場合に、特に遺言を作るメリットがあるのでしょうか?

次回は、遺言作成のメリットとその具体的な事例について、説明致します。

                 (今日のポイント)
① 遺言とは、自分の財産をどのように処分するかの最後の意思表明のこと。但し、法律上効果を生じさせるには、法律の条件を充たすことが必要!!

② いわゆる「遺書」とは異なる。

2.遺言のメリット

前回は、『遺言とは自分の財産をどのように処分するかの最後の意思表明のことですよ、単に「お母さんの面倒をよろしく」といった遺書のようなものとは違います』とお伝えします。

では、遺言を作ると、どんなメリットがあるのでしょうか。

大きく、3つの点が挙げられると思います。

まずは、①遺言をする方の意思が尊重され、相続人の財産争いを防ぐ役目があるという点です。

例えば、家族の大黒柱が生存していた時は親族間も含めて、バランスが取れていた。しかし、亡くなってしまったことにより、そのバランスが崩れ、骨肉の争いとなってしまう・・・。
そんな時に、大黒柱が事前に、「妻にはこれこれ、長男にはこれこれ、次男には・・・」というように分けてあげておくと、生前発言力の強かった大黒柱の意見を尊重しようとして、相続争いを回避できる場合があります。

次に、②民法の定める法定相続分に優先される点という点です。

いきなり、民法の定める法定相続分と言われてお困りかと思います。この点については、後述しますが、ここでは、法定相続分というものを、遺言のなかった場合の、相続の原則的な分け方だと思ってください。例えば、子供2人以外に相続人がいない場合、民法の定める法定相続分は各半分ずつとなります。しかし、特に一方の子供が自分の介護をやってくれたということであれば、遺言書によって、その分け分を変えて、一方の子供に多く相続させる遺言書を作成することはできるのです。

最後に、③具体的事案の中で、特に以下の場合に、遺言を行うメリットが大きいという点です。

以下のもので、皆様に該当するものがありますか?あれば、遺言書の作成をお勧めします。

 □夫婦間に子供がいない場合
 □息子の妻(嫁)に財産を贈りたい場合
 □先祖代々の家業(例、農業資産)を特定の子に受け継がせたい場合
 □相続人の中にどうしても相続させたくない人がいる場合
 □相続人が全くいない場合
 □先妻の子と後妻がいる場合
 □相続権のない親族・知人や公益団体に財産を贈りたい場合 

次回(9月16日)以降には、③のいくつかの具体例について、説明していきます。

                  (今日のポイント)
遺言のメリット3つ

① 遺言をする方の意思が尊重され、相続人の財産争いを防ぐ役目がある点。
② 民法の定める法定相続分に優先される点。
③ 具体的事案の中で、遺言を行うメリットが大きい場合がある点。

3.夫婦間に子供がいない場合(前半)


前回は、遺言を行うメリットについてお伝えしました。

今回から、数回に分けて、特に、遺言書の作成をお勧めする場面を説明していきたいと思います。
本日は、「夫婦間に子供がいない場面」です。具体例として、以下の事例を考えてみましょう。

                        【事案】 
AさんBさん夫婦には子供はいません。Aさん(夫)には弟Cさんがいますが、仲はよくありません。Aさん自身、自分の死後、自分の財産はすべて妻であるBさんに贈りたいと思っています。このような場合に、Aさんの遺言書がなく、Aさんが死亡してしまった場合、どのようになるでしょうか?

(1) 遺言が無い場合
  この場合には、民法という法律の原則に沿って、相続人全員の共同相続(法定相続)となります。すなわち今回の事例では、相続人が妻Bさんと弟Cさんとなります。そして、その両者の、その相続する割合も民法という法律で決まっています。具体的には、妻Bさん3/4、弟Cさん1/4の割合で、Aさんの財産や債務を承継することになるのです。 ここでは、 1/4の割合で弟Cさんは相続を受けるという点に注意が必要です。        
 Aさんが、この結果でよろしいであれば、遺言書の必要はありません。 
                    ↓ しかし、
 「弟には一切あげたくない。すべて妻にあげたい。」ということでしたら、その意思を遺言書として、作成しておくことは、意味があります。
次回(9月23日予定)は、この事例の続きとして、遺言書を作成する際のポイントについてお知らせします。

                   (補足)
 突然、民法と言う法律が出てきました。民法とは、私達一般人間(私人間)のルールを定めたもので、国と一般人(私人)とのルールを定めた憲法のようなものとは異なる点に注意が必要です。遺言等のないような、亡くなった方の意思がはっきりしないような場合には、だれにどのくらいの割合の財産を相続させるかという点について、民法という法律を根拠に解決させましょう、というものです。
具体的説明は、後日にしますが、興味がある方は、事前に調べて理解して頂いていると、「週間ユイゴン(遺言)」を理解しやすくなります。

                 (今日のポイント)

《夫婦間に子供がなく、夫の両親もいないが、夫の兄弟姉妹がいるようなケースで、その夫が亡くなった場合》
→ 民法という法律では、相続人は、配偶者と夫の兄弟姉妹であり、割合は、配偶者が3/4、夫の兄弟姉妹1/4となります。
この結論でいいですか?