4.夫婦間に子供がいない場合(後半)
前回は、夫婦間に子供がなく、夫の両親もいないが、夫の兄弟姉妹がいるようなケースで、その夫が亡くなった場合のお話しでした。
民法の原則からしますと、相続人は、配偶者と夫の兄弟姉妹であり、割合は、配偶者が3/4、夫の兄弟姉妹1/4となります。しかし、このままでは、事例の弟も相続することになります。この結論でいいですか?ということまでお話しました。
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「弟には一切あげたくない。すべて妻にあげたい。」ということでしたら、その意思を遺言書に明記しておく必要あります。これで、すべて妻が相続することになります。
また、兄弟姉妹には遺留分(「いりゅうぶん」と読みます)はありません。何やら、難しい話が出てきたかとお思いでしょうが、
遺留分とは、相続財産のうち、一定の相続人のために必ず残しておくべき一定の割合をいいます。
簡単な例で言いますと、夫が自分の財産は全くの他人にあげるという遺言書を書いており、亡くなった後、そのとおり、すべての財産が他人に渡ってしまったら、妻や子供は住むところすら奪われ、路頭に迷ってしまうかもしれません。そこで、遺留分とは、すべて他人に渡るのではなく、本来、夫の財産を相続するはずであった妻や子供にも、一定限度の財産を確保させようというものです。難しい言い方をすれば、遺言者の個人財産処分の自由を、家族財産の公平な分担の見地から、一定限度の制限を加えたものと言えます。但し、注意が必要なのは、この遺留分の主張ができるのは、妻、子供、もしくは親などで、兄弟姉妹は含まないのです。以下に、誰が遺留分の主張ができるのかを記載した民法1028条をあげておきますので、ご確認ください(詳しいお話しは別の機会に触れたいと思います)。
民法1028条 兄弟姉妹以外の相続人は遺留分として左の額を受ける。
1. 直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1
2. その他の場合には、被相続人の財産の2分の1
従いまして、今回の事例では、弟からの遺留分主張の心配もなく、遺言書によって、全財産を妻に相続させることができます。
(今日のまとめ)
夫婦間に子供がなく、夫の両親もいないが、夫の弟がいるようなケースで、夫が「弟には一切あげたくない。すべて妻にあげたい。」ということでしたら、遺言書を作成しましょう。弟には遺留分を主張する権利はないので、その点は安心です。