6月の集中株主総会が終了し、ファンドに対する各社の対応と結果が見えてきました。
その一例、ブルドックとスティールのケース。
場面は、
1) スティールがブルドックの株式の公開買い付け(TOB)を仕掛ける
2) ブルドックが株主総会で買収防衛策(新株予約権の発行)につき特別決議による承認を得、対抗する
3) スティールは2)の防衛策の発動の差し止めを裁判所に求めた、 というもの。
東京地裁・高裁ともに、スティールの求めを認めず、ブルドックの防衛策を認めました。。
東京高裁の判断を中心に、私見も交えて、ポイントを整理すると、以下の点が挙げられます。
① まず、確認として、今回は、TOB後に買収防衛策を導入したという意味で有事導入型(事後的な導入)の場面です(事前警告型の防衛策とは場面が異)。
② ブルドックは株主総会において普通決議よりも決議要件の厳しい特別決議にて承認を得ています。
防衛策の承認決定を取締役会ですますと、どうしても経営者側の保身と思われることから、株主総会の決議、しかも、一番厳しい特別決議によるとした点で、地裁・高裁も一定の評価を示めしたといえます。
③ 今回の防衛策は、全株主に新株予約権を発行するものの、スティールに発行されるものについては、新株に転換できないとういうものです。
当然、株主を平等に取り扱わなければいけないという、株主平等原則に抵触する恐れが出てきます。
但し、原則に対する例外として、特に高裁では、
スティールは、2003年以降の買収においても転売して利益を上げているという事実、ブルドックに対する具体的な経営方針を提示しないことから、グリーンメーラー(濫用的買収者)と認定し、そのような株主に対して、他の株主と異なる扱いをしても、株主平等原則に反しないとしました。
結論としては、妥当としても、ファンドは常にグリーンメーラーとされかねないとして、一部反論もあります。
④ スティールは、今回の買収防衛策により持ち株比率は低下し、経済的損失を受ける(持ち株比率が下がる)ことから、ブルドックは、その穴埋めとして、お金(約23億円)を支払うものとしました。
この点については、23億円という金額が妥当か否かという問題のほかに、そもそも経済的な補償が必要だったのか、グリーンメーラーを助長する結果にならないか、など再検討する必要があるかと思います。
スティールは、上記の東京高裁の決定に対して、最高裁判所への申し立て(特別抗告と許可抗告)をしました。最高裁の判断に注目が集まるところです.。
以上