昨年は、歴史的な政権交代がありました。安心で公正な社会にしてほしい、
新政権にはそのような期待が大きい反面、あらたに「政治とカネ」に関連する
疑惑が出てきました。
政治家、特に国会議員に関連する疑惑(通常、「疑獄事件」と言いま
す)については、東京地方検察庁の中にある「特捜部」(「東京地検特
捜部」、以下「特捜部」と言います)が捜査を行います。それは、警察
官等に比べて、検察官には強力な権限が認められており、政治家からの
影響を排除して、公正に捜査を行える立場にあるからです。
通常、犯罪捜査と言うと警察なのですが、行政機関の構造上、どうし
ても政治家の影響を受けやすく、捜査が難しくなることが多いのです。
「特捜部」は、戦後、疑獄事件のほか大型の脱税事件等の高度な知能
犯を取り締まる部署として誕生しました。モデルは、ハリウッド映画等
でおなじみのアメリカの連邦捜査局「FBI(Federal Bureau of
Investigation)」です。そのFBIから、「特捜部」にピストルを持た
せたら、世界一の捜査機関だと言わしめたほどでした。
1976年のロッキード事件で、段ボール箱を黙々と運ぶ捜査員の姿を見
て、「地獄からの使者」などと言われて恐れられていましたが、近年で
は、そんな暗いイメージ(?)も変わって、英雄視されることが多くな
りました。マスコミの報道やドラマの影響も多いのでしょう。
今回の疑惑に限らず、政治家等がからむ疑獄事件等について、私自身、
「特捜部」が疑獄事件等に切り込んで地道に立件することに期待してい
ます。ただ、強大な権力を有する機関である以上、「英雄」というより
は、背後から国民をしっかり守る、そんな地味な存在であってほしいと
思います。
捜査方法の一つである「取り調べ」の可視化の議論についても国会で
議論されるに至っています。動向を見守っていきたいと思います。