(前回の続きから)
1.受益者連続型信託とは
「受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、
他の者が新たな受益権を取得する定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する定めを含む。)のある信託」(信託法91条)
のことをいいます。
具体的には、委託者Aと受託者Bとの信託契約において、当初の受益者をCとしますが、
同時に、Bが死亡した時の第二次受益者をC、Cが死亡した時の第三次受益者をDとする旨を定める信託のことをいいます。
2.受益者連続型信託を行う方法は、
「契約による信託」と「遺言による信託」の2つがあります。
3.以前から有効性に疑義があった「後継ぎ遺贈」と同様の効果があります。
「受益者連続型信託」と「後継ぎ遺贈」について、以下、まとめますと、
(1)後継ぎ遺贈とは
遺言によって、遺言者Aが第一受遺者Bに財産を遺贈するが、
Bの死亡時にはCを第二受遺者としてこれに遺贈するという内容の遺贈のこと
※Bの権利はBの死亡時に終了する不確定期限付のもの
(2)相違点
① 信託の場合には、受益者が取得する財産は受益権であって信託財産ではない
→信託財産が不動産所有権の場合に、受益者が取得する権利は受益権であって所有権ではない。
② 後継ぎ遺贈の場合には、受遺者が取得するのは所有権そのもの
(3)後継ぎ遺贈の効力自体に争いあり。
①本来、所有権は、完全・包括的・恒久的な権利であるから、
上記⑴のBの権利(不確定期限)のように期限付所有権を
創出することは許容されないのではないか
②本来、所有権は、使用・収益、処分が自由できる権利のはず。
にもかかわらず、後継ぎ遺贈では、上記のBの権利を制限することになる。
そこまで、遺言者の意思を強めていいのか
③そもそも登記ができない(某法務局不動産登記部門の回答)
↓
このようなことから、後継ぎ遺贈とほぼ同様の効果を生み出す
受益者連続型信託が認められるようになったのです。
(次回に続く)