ここにいう渉外遺言とは、
外国人による遺言の場合
日本人の遺言であっても遺言者が外国に住所又は常居所を有している場合
遺言の対象となっている財産あるいは遺言をした場所が外国にある場合
など。
遺言の成立及び効力について
遺言当時の遺言者の本国法、遺言の取り消しについては、取消時の遺言者の本国法による(適用通則法37)
もっとも、
適用通則法37条では意思表示としての遺言そのものの問題のみで、
遺言という形式によってなされる遺言者の具体的行為については、当該行為の準拠法によるとされている。
しかし、
複数の国にまたがって生活している者が作成した遺言が方式上有効か否かを単一の準拠法のみによって判断すると、遺言者が前提としていた法と準拠法とが異なり、遺言が無効になるおそれがある。
そこで、
この不都合性を回避するため、
「遺言の方式の準拠法に関する法律」が制定。
一般の法律行為以上に多数の連結点を挙げ、それらの選択的連結とすることで遺言が方式上無効とされる可能性を低くした。
「ケース別 遺産分割協議書作成マニュアル」(新日本法規)より